【第2回】それは秘密です・・・! 古川製作所

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「できるところがないんですよ。おたくで何とかなりませんか・・・」

08.5.27 深穴ブッシュ@ブログ写真.jpgFURUKAWAに、ある部品が持ち込まれた。内径わずかφ3mmなのに15mmの深穴。これを3ミクロンの精度で内径研削しなくてはならない。そもそも径の3倍以上の長穴の研削は難しいとされている。 これは「5倍の深さ」ということになる。

 

「なんとかやってみます。」

 

やれるか? と尋ねた会長の古川の言葉に、物静かな男がうなずいた。まだ若くベテランというよりも中堅社員だが、高い研削技術をもち、この道では熟練者と言っていい。

これまでも数々の難易度の高い内径研削をこなしてきた経験をもってしても、けして簡単ではなかった。試行錯誤の末、「こうしてみようか」という社長の古川和弘(44歳)の一言がきっかけとなり、顧客が期待する精度の部品が仕上がった。現在、毎月流れる仕事の一つになっている。

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日本のものづくりは精度の高い世界一の金型技術がその基盤を支えている。その金型技術をFURUKAWAのような部品加工メーカーがまた、しっかりと支えている。ミクロン加工による高品質、高精度、高寿命の精密金型部品。FURUKAWAの得意分野だ。

 

ガイドピン・ガイドブッシュという金型部品がある。金型が開閉するときに、固定側と可動側を
いつもきまった位置に”ピタッ”と合うようにするための重要部品だ。FURUKAWAでは、これらを単体でつくるだけでなく、指定されたクリアランスで納品することができる。また、内外径テーパー合わせで加工するなどセット加工も得意だ。 08.5.19 ブログ用製品写真2.jpg

 

極めて硬く微細な砥粒から成る「研削砥石」を高速で回転させ、焼き入れ鋼や金型鋼などの非常に硬い材料であっても、わずかずづ丹念に「削り取って」いくことで、1/1000台の高精度加工を実現する「研削加工技術」。

 

工場内を見渡すと、NC旋盤、円筒研削盤、センタレス研削盤、内面研削盤、平面研削盤、成形研削盤など、研削専門の看板を掲げるに相応しいバラエティー豊富な設備を取りそろえている。また、各工程でしっかりとした測定を行う品質の作り込みも確かだ。

 

ところで最初の深穴研削を可能にした秘密は? と尋ねると、

 

「それは企業秘密だからちょっと・・・」

 

社長の古川和弘が、人なつっこい笑顔で「勘弁!」という身振りで答えた。

 

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【第1回】 『こんなの特に凄くないよ・・・』 三富はさらりと言った

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「このチタンの加工? 別に取り立てて凄い訳じゃないよ・・・」  IMG_0004-.JPG

三富はさらりと言った。けっして不遜な態度なのではない。「だって他の業者さんだってできるもの。」 しかし謙遜している訳でもない。三富にとっては、たしかに苦労の末の加工ではあるが、それが仕事なのだ。自分にとっては、難しくて苦労することも含めて「仕事」であり、それは当たり前のこと。とりたてて凄いことなどと本人が微塵も自覚していないのだ。

 

チタンは難切削材ですからね」などと聞きかじった知識でものを言う筆者は、実はそのすごさが、この時点ではよくわかっていなかった。

 

部品をよく見ると横穴mitomi1_s.jpgの底面はきれいに平坦である。傷があってはならないらしい。それでいて底のギリギリまでねじが切ってある。「止まりネジ」だ。タップ加工(ネジ)が少し判っている人ならば、ネジがギリギリまで切ってありながら、穴の底面がフラットで傷一つ無いということが、けっして容易な加工でないことは判るはずだ。

 

さらによく見ると、円筒の内側の穴は斜めに掘られている。テーブルの傾斜・回転が同期しながら加工する五面加工機ならではの加工だが、それでもドリルを斜めに入れるのは至難の業だ。「他の業者さんだって出来るよ」 と言っていた三富だが、良く良く聴いてみると、ライバル社の五面加工機は設備価格が三富のものに比べて3倍もする最新鋭の機械なのである。 その機械があって「なんとかできる」 のである。

 

しかし三富の五面加工機は「昭和生まれのリニアだけど頑張ってるよ」というのである。けっして新しくない機械を上手に使いこなして、最新鋭の機械に負けない加工を三富は実現してしまう。一人で仕事をしているので、正直言ってキャパはない。仕事があんまり来てもこなしきれないので、営業はしないというが、仕事がとぎれる様子はない。発注者にとっては、こんな近場にいる腕のいい機械加工屋はライバルに知られたくないらしい。

 

足立区の知る人ぞ知る凄腕マシニング職人なのである。

 

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